BTX アーキテクチャをについて
新しいデスクトップ・インターフェイス仕様の BTX (Balanced Technology Extended) は、広く入手可能な標準コンポーネントを使ってデスクトップ・システムを構築するためのスケーラブルかつ柔軟な共通基盤を提供します。BTX はシステムの電力供給および放熱に関する環境を大幅に改善することを目指して設計されています。
●AKIBA HOTOLINE BTX情報
BTX では、あらゆるサイズやプロファイルのシステムにおいて、サーマル・モジュールの1個のファンによって生成される「インライン空気流」を利用することが推奨されています。少ない回転数でサーマル・モジュールのファンを動作させ、温度の低い冷却風を発熱量の多いシステム・コンポーネント全体に高速に吹き付けるため、冷却コンポーネントの低コスト化と簡略化が図れるほか、システムの騒音レベルも抑えることができます。
●BTX フォーム・ファクタ仕様
BTX フォーム・ファクタ仕様では、従来のデスクトップ・フォーム・ファクタとは異なるメカニカル・インターフェイスがいくつか定義されています。BTX フォーム・ファクタ仕様は www.formfactors.org (英語) で公開されており、以下の新しい仕様内容が詳しく規定されています。 ゾーン A (およびゾーン F) に2種類の高さを規定:BTX 仕様では、ゾーン A およびゾーン F に関して高さの異なる2種類のサーマル・モジュール (Type I と Type II) を利用できます。Type II のサーマル・モジュールは超薄型のシステム設計用で、小型のファンとヒートシンクを使用します。しかし、シャーシに厚みのあるパフォーマンス・システム構成では、Type II のサーマル・モジュールよりも高さのある Type I のサーマル・モジュールの方がコストおよび騒音の面で有利になります。このため、ゾーン A (マザーボードの上部) とゾーン F (マザーボード前面。詳しくは後述) に関しては、Type I 用と Type II 用の2種類の高さが規定されています。マザーボードに対するメカニカル・インターフェイス, (ソケットおよび電圧レギュレータの取り付け範囲など) は Type I と Type II のサーマル・モジュールで共通です。
マザーボードのフロント・ゾーン:Type I および Type II のサーマル・モジュールは、マザーボード上だけでなくマザーボードの前面でも利用できるように専用のスペースが割り当てられています。マザーボードの前面にサーマル・モジュールのファンを配置することにより、(1) CPU ヒートシンク、(2) 電圧レギュレータ (CPU ヒートシンクの底面とマザーボード表面の間のスペース)、(3) マザーボードの裏側の3つの経路に冷却風を送り込むことができます。これら3つの空気流路はいずれもシステム全体の放熱性能を高める上で重要な役割を果たします。マザーボードのフロント・ゾーンには、SRM (後述) をマザーボードのフロント・エッジよりもさらに前方に突出した形で取り付けるためのスペースが確保されているため、機械的な衝撃を受けた際に CPU ヒートシンクの慣性負荷をより強力に支えられるようになっています。
サーマル・モジュール・インターフェイス:BTX 仕様では、シャーシにサーマル・モジュールを取り付けるための標準メカニカル・インターフェイスを備えることが必須となっています。サーマル・モジュールに外気を取り込むためのシャーシ開口部の周囲には、サーマル・モジュールのダクトを嵌合させるための物理的なインターフェイスを備える必要があります。サーマル・モジュール・インターフェイスの開口部には、外気を直接取り込む必要がありますが、これはシャーシ・フロント・パネルのシート・メタルまたは吸気ダクトのいずれかを使用します。ダクトを使用する場合は、ダクトの吸気口はシャーシの上部、底部、側部など、任意のパネル表面に取り付けることができます。なお、サーマル・モジュール・インターフェイスは、Type I または Type II のサーマル・モジュールのいずれかに対応させる必要があります。
SRM (Support and Retention Module) アタッチメント機能:SRM は BTX システムの中心的な構造物となるものです。これは、機械的な衝撃や落下の際に CPU ヒートシンクの慣性負荷を支える役目を果たします。SRM はヒートシンクの慣性負荷をシャーシ・プレートの堅牢な部位に伝達することによって、マザーボードが上方に湾曲するのを防ぎ、表面実装コンポーネントの正常な動作を保証します。BTX ではシステムのサイズにかかわらず1つの SRM を使用することで、構造上の堅牢性を確保するようにしています。
●BTX がもたらす価値
BTX は、従来のデスクトップ・フォーム・ファクタに比べ、以下の点で明らかなメリットがあります。
スケーラビリティ:BTX では、スモール・フォーム・ファクタのシステム設計においても標準コンポーネントや高性能プロセッサを利用できます。筐体容積の小さいシステムや新しいシステム・プロファイルに関しても低コストの標準コンポーネントや高性能コンポーネントを使ってインテグレーションを行えるようにするため、インテルおよび業界のコンポーネント・サプライヤは多様なサイズの電源やサーマル・モジュールの開発に取り組んでいます。
マザーボード設計:リア・パネルの開口部の幅を大きくすることで、次世代 I/O やレガシー I/O にも幅広く対応することができます。チップセット・コントローラから I/O およびメモリへの配線についてもパフォーマンスが改善されています。CPU ソケット周辺に電源プレーン・マネージメントおよび I/O 配線用のスペースが広く確保されているため、現在はもちろん次世代プロセッサにおいても配線の混雑を防ぐことができます。
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| microBTXに準拠したIntel 915Gチップセット搭載マザーボード「Intel D915GMH」 |
左がmicroBTXのD915GMH、右がmicroATXのGIGABYTE GA-8I915G-MF。大きさだけでなく、レイアウトが大きく変更されているのが分かる |
D915GMHの背面部。従来のATXとは異なり、I/Oパネルの向かって左側に拡張スロットがレイアウトされる |
構造上の強度:BTX では標準の SRM (Support and Retention Module) コンセプトを採用しており、1個の SRM であらゆるサイズおよびプロファイルのシステムに十分な強度をもたらすようになっています。マザーボードの湾曲への対策が不十分な場合、機械的な衝撃や振動、あるいは長期にわたる信頼性テストによって障害が発生する可能性がありますが、標準の SRM はこうした問題を解決します。
電力供給と放熱:BTX の最大の利点は、デスクトップ・システム内に存在する発熱量の多いコンポーネントすべてに対して冷却性能が大幅に強化されている点にあります。BTX システム内部には明確な気流経路が確保されるため、2つのファンを使用するだけで、電力供給用の素子など発熱量の多いコンポーネント全体に低温度の気流を高速に吹き付けることができます。
騒音:BTX システムではファンを2つしか使用しないため、リア・パネルのシステム・ファンやグラフィックス・カードのヒートシンク・ファンなど、いくつかの騒音源を除去できます。BTX のサーマル・モジュールでは明確な気流経路に低温の冷却風を流すことができるため、システム・ファンの回転数もきわめて低く抑えられます。この結果、高性能かつ低騒音のシステムが実現します。
コスト:発熱量の多いすべてのコンポーネントに低温度の気流を高速で吹き付けることによって、従来よりも大幅に安価なヒートシンク・テクノロジ/デザインを使用できるようになります。プロセッサの電圧レギュレータおよびマザーボードの裏側にも気流が確保されるため、電力供給用コンポーネントの数を減らせるほか、ソケットの信頼性も向上します。
●BTX の性能面でのメリット
インテルは、BTX の優れた特性を実証するために2種類のリファレンス・システムを開発しました。1つは筐体容積12.9L のスリム・タワー・デスクトップで、これはメカニカル、構造、温度、騒音面ですべての条件を満たしていることが検証されています。このリファレンス・デザインは製造前のインテル(R) チップセットをベースにしたプラットフォームを使用し、発熱量115W のプロセッサと75W の PCI Express* x16 グラフィックス・カードをサポートし、騒音レベルは3.8BA 未満に抑えています。もう1つは6.9L の超スリム・タワー・デスクトップで、こちらは2004年4月に検証が行われることになっています。このシステムも製造前のインテル・チップセットをベースにしたプラットフォームを利用しており、115W のプロセッサをサポートし、騒音レベルは4.0BA 未満となるように設計されています。
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